専任媒介契約と囲い込みの関係とは?不動産売却で囲い込みを見破るポイントを解説
「家を高く・早く売るには、どのタイミングがよいのだろう…」と考える方も多いのではないでしょうか?以下5つの要素を満たすと、家の売り時といえます。
POINT💡
・相場が高い時期
・築6〜15年が経過している物件
・所有してから5年以上経っている物件
・成約件数が多い3月に売却予定
・住宅ローンが低金利のタイミング
ただし、「相場が高い時期っていつ?」「住宅ローンが低金利なとき?」と考える方もいるでしょう。そこで本章では、家を売るタイミングを見極める基準や売却してはいけないときを詳しく解説します。
目次
不動産売却を行うタイミングがわかると、家を高く・早く売ることが可能です。以下のタイミングで、家を売るようにしましょう。
それぞれ順番に解説します。
家の売り時は、相場が上がったタイミングです。ここでは相場を調べる方法と、売り時について解説します。
不動産の相場推移を調査するならば、国土交通省の「不動産価格指数」が参考になります。以下は、国税庁が2024年1月に発表した2008年4月〜2023年10月までの不動産価格指数の推移です。
2010年の平均を100として、すべての系統の不動産の価格が上昇しています。
家を売るタイミングは「不動産価格指数」のグラフの数値がもっとも高いときです。しかし、不動産の市場価格が最高値になるのを予測するのは難しいでしょう。そこで、以下の考え方を基準に売り時を決めてください。
POINT💡
・グラフが右肩上がり:価格が上がり切るのを待ってから売却
・グラフが右肩下がり:価格の低下を避けるために早期売却
・グラフが横ばい:いつ売ってもOK
相場を基準にして売り時を決めると、売り時を逃しません。不動産を高く売ることができるでしょう。なお、このような不動産の相場の推移は、不動産会社の査定額にも表れます。まずは複数者に査定してみるとよいでしょう。
なお、査定がはじめての方は、こちらの記事もよく読んでいます。
不動産の価値は、築年数が経過するごとに下がります。そのため「築年数」を基準のひとつにすることもポイントです。
国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、築年数の経過による資産価値の下落率は、以下の通りです。
戸建住宅の場合、築20年で価値がほぼ0になります。築0〜15年目までは下落率が激しく、築15年目以降には緩やかになります。中古マンションの場合、築0〜築2年にかけて資産価値が急激に下落します。その後は、一定の割合で下落していきます。
不動産売却のベストなタイミングは、築6〜15年の間です。なぜなら、築15年目以上は価格の下落率が緩やかになるため、いつ売っても売却額に変化がありません。しかし、築0〜15年目までは下落率が激しいです。売却時期が1年遅れると、手残り金に大きな差が出ます。
築15年以内ならば早めに売却するのがよいでしょう。なお、後述しますが、築5年以内に売却すると譲渡所得税が高くなる恐れがあるため、おすすめしません。
不動産売却により利益を得ると、譲渡所得税や住民税を支払う必要があります。しかし、不動産によっては特別控除が適用され、納税額を減らせます。税金制度を理解して、支出を抑えましょう。
家を売って利益を得ると、譲渡所得税や住民税が課税されます。譲渡所得税と住民税の税率は、以下の通りです。
物件の所有期間 | 税率 |
---|---|
5年以下(短期譲渡所得税) | 39.63% |
5年超(長期譲渡所得税) | 20.315% |
なお、物件がマイホームで、売却年の1月1日時点で所有期間が10年を超えている場合は、軽減税率が適用され、譲渡所得税と住民税を合わせて税率が「14.21%」になります。ただし、軽減税率が適用されるのは、譲渡所得のうち6,000万円以下の部分のみです。マイホームを売る場合、所有してから10年を超えたタイミングがベストです。
参考記事:国税庁|No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
参考記事:国税庁|No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
マイホームを売るときには、所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円までを控除できます。(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)
譲渡所得から3,000万円が控除されると、その分、譲渡所得税と住民税を減らせます。譲渡所得が3,000万円以下だと、課税されません。
ただし、当特例を受けるためには、売り手と買い手が親族でないことや、住まなくなった日から3年を経過する日の12月31日までに売るなどの条件があります。
参考記事:国税庁|No.3302 マイホームを売ったときの特例
相続した家を売る場合「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を受けられます。相続した不動産を売却した場合に、相続税として納付した金額の一部を物件の取得費に加算して、譲渡所得から控除できるものです。
譲渡所得は、売却により得た収入から、家を売るためにかかった費用や、取得にかかった費用を差し引いた金額です。取得費に相続税を加算させることで、譲渡所得を減らせます。当特例を適応させるには、被相続人が亡くなってか3年10ヶ月目までに売却する必要があります。
参考記事:国税庁|No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
家をスピーディーに売るには「季節」を重視することがポイントです。ここでは「いつ」売却すればよいのか解説します。
「公益財団法人東日本不動産流通機構(REINS)」が公開している中古戸建住宅の月ごとの成約件数の調査をまとめました。
引っ越しシーズンの「春」と「秋」に成約件数が増えています。中古戸建住宅の成約件数は3月が42件、9月が40件です。
「公益財団法人東日本不動産流通機構(REINS)」の調査によると、岐阜県で中古住宅の成約件数がもっとも多いのは3月です。3月と9月に不動産の購入希望者が増える理由は、転勤や進学に合わせて引っ越しをする方が多いためです。3月に家を売るには、12月くらいに行動を開始して、1月には市場に売り出す必要があります。
住宅ローンの金利によって、不動産の売れ行きは異なります。ここでは住宅ローンの金利の推移と、いつが狙い目なのかを解説します。
1984〜2023年の住宅ローンの金利推移は、以下の通りです。
2023年度の変動金利は低い水準にあります。変動金利型は年2.475%なので、1900年前半に比べると大幅に低下していることがわかります。
家の売り時は、住宅ローンの金利が低いときです。金利が低いと利息が少なくなるため、住宅ローンを組みやすくなります。高金利のときに比べて、低金利は最終的な支払額が低くなるため、不動産を購入しやすくなります。
低金利のときのほうがスムーズに売却できるでしょう。また、不動産の購入者が多くなると、需要が上がるため高く売価できる可能性があります。
家を売ってはいけないタイミングを知ると、売却で失敗しにくくなります。不動産売却をしてはいけないタイミングは、以下の3つです。
それぞれ見ていきましょう。
家を所有してから5年を経過していないならば、売却をするべきではありません。譲渡所得税の税率が、5年を超えてから売却するのに比べて高くなるためです。
家を所有してから「5年以内」と「5年超」で売却するのとでは、以下のように税率が異なります。
家を所有してから5年を超えてから売却すると、譲渡所得税を抑えることが可能です。なお、マイホームを売却する場合は「3,000万円の特別控除」が適用されます。譲渡所得金額が3,000万円以下の場合で、譲渡所得税が0円になるならば、いつ売っても問題ありません。
住宅ローンの金利が高いときは、不動産の購買行動が低下するため、家が売れにくくなる可能性があります。住宅ローンが高金利だと、利息も高くなります。
支払額が増えるため、住宅ローンが組まれにくくなるでしょう。不動産の売却は、住宅ローンが低金利のときに行うのがおすすめです。
不動産の相場が上り調子のときは、売却時期を延期しましょう。今後、さらに相場が上がって、より高く売れる可能性があるためです。
不動産の供給より需要が増えたら、相場は上がります。たとえば、住宅ローンが低金利のときは、不動産を買いやすくなるため、需要が高いといえるでしょう。
国土交通省の「不動産価格指数」のデータや、住宅ローンの金利などを調査しながら、相場の推移を判断してください。
家を売るタイミングに関するよくある質問は、以下の3つです。
順番に回答していきます。
家が売れるまでの期間は、平均して3ヶ月ほどです。
ただし、引っ越しシーズンの3月を狙って売却をすると、3ヶ月以内に売却できる可能性があります。早期売却を行うには、売出価格を相場より安くして、1〜2月に売りに出すとよいでしょう。不動産の売却の期間について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
参考記事:公益財団法人東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2020年)
家の売却でやってはいけないことは、以下が挙げられます。
上記のうち、契約内容と異なる物件を売ることや、確定申告をしないことは、法律的なトラブルに発展する可能性が高いです。また、住宅ローンが残っている状態では、不動産を売却できません。かならず、残債を把握しておきましょう。
資金に余裕があるならば、新居の購入を先にしましょう。(買い先行)不動産の売却資金を購入資金に充当するならば、売却を先に行いましょう。(売り先行)
それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
自己資金に応じて、どちらを先に行うかを選んでください。
家を売るタイミングは「相場」「築年数」「税金」「季節」「住宅ローンの金利」の5つの観点から見極めましょう。
相場が高く、住宅ローンが低金利の年の3月に、所有してから5年以上の築6〜15年の物件を売却するのが、もっとも効率的です。
しかし、どれだけ家の売り時を見極めても、不動産会社に営業力がなければ、家は「早く」「高く」売れません。まずは自分にマッチする不動産会社を選びましょう。
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