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不動産の査定に費用はかかりません。
ただし、不動産鑑定には費用がかかります。物件を売却したい方は、不動産の「査定」と「鑑定」の相違点を理解して、適切なほうに依頼するようにしましょう。
本記事ではその違いをそれぞれ解説します。
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目次
不動産査定には費用がかかりません。そもそも不動産査定とは「その物件が3ヶ月ほどで売れる価格を調査して、売却価格を算出すること」です。主に不動産会社や仲介業者が行います。
では、なぜ営利目的の不動産会社が査定で代金を取らないのでしょうか?この疑問を解決するために本章では、以下2つのテーマについて解説します。
本章を読むと、不動産会社が無料で査定を行う理由がわかり、安心して査定を依頼できるようになるでしょう。
不動産会社が行う査定に費用はかかりません。その理由は、売主が不動産を売却しやすいように間口を広く設けているからです。
不動産の査定とは「その物件が3ヶ月ほどで売れる価格を調査して算出すること」です。査定額は不動産会社によって異なります。
そのため、売主は複数社に査定を依頼して、家を高く売れる不動産会社に依頼するのが一般的です。
査定を依頼する度に費用を請求していては、売主にとって家を売るハードルが高くなります。
上記のことから、不動産会社は査定の費用を無料にして、気軽に家を預けられるようにしているのです。
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不動産会社が査定費用を有料にするのは違法になる可能性があります。
その根拠は、国土交通省の『宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方』令和3年4月23日改正−第34条の2関係−4(1)③で以下のように明記されています。
根拠の明示は、法律上の義務であるので、そのために行った価額の査定等に要した費用は、依頼者に請求できないものであること。 |
上記には、査定によって決めた媒介価額(売出価格)を売主に明示するのは義務であること。媒介価額を算出するために査定に要した費用を請求できないと記載されています。
また、報酬を得て査定を行うと不動産鑑定業と見なされ「不動産の鑑定評価に関する法律」に抵触する恐れがあります。
国家資格を所有していないのに、不動産鑑定業を行っていることになるためです。このことから、査定を有料で行うのは、違法になる可能性があります。
不動産鑑定士に不動産査定を依頼する場合は費用がかかります。
その理由は、国家資格を所有する不動産鑑定士が不動産を鑑定評価し、公的な場で使用できる書類を作成するからです。
不動産査定が「不動産会社が家を3ヶ月ほどで売れる価格」を算出するのに対して、不動産鑑定では「不動産の客観的な価値」を求めます。
では、不動産鑑定士への依頼費用の相場はどのくらいなのでしょうか?その訳について解説します。
不動産鑑定士への依頼費用の相場は、事務所によって異なるため、一概には言えません。
ただし、以下のような書類に費用がかかります。
書類 | 概要 | 費用 |
---|---|---|
不動産鑑定評価書 | 「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づいて、不動産の価格とその算出手順を示した書類。裁判所や税務署などの公的機関への提出書類として活用できる。 | 約20〜50万円 |
意見書 | 不動産の価値の評価を記した書類。簡易的な鑑定結果を記しているため法的な効力はない。 | 約3万円〜 |
調査報告書 | 不動産の権利や市場動向を記した書類。簡易的な鑑定によって作成されているため、裁判所や税務署での使用には適さない。 | 約20〜30万円 |
上記のうち「不動産鑑定評価書」は、裁判所や税務署などで公的書類として使用できるため、費用がもっとも高くなります。
一方「意見書」と「調査報告書」は公的書類として使えないため、費用が安くなります。
では、なぜ不動産鑑定を依頼すると費用が数十万円にもなるのでしょうか?次項ではその理由について解説します。
不動産鑑定の費用が高額になる理由は、不動産鑑定士が10営業日以上の時間をかけて、不動産を調査し、厳格な鑑定・評価の基、不動産鑑定評価書を作成するためです。
不動産の規模が大きい場合は、1ヶ月以上の調査期間を要することもあるでしょう。
また、不動産の地理や市場動向まで考慮して不動産鑑定書を作成するため、非常に手間がかかります。
上記の理由から不動産鑑定の費用は高くなると言えます。
不動産を売却するときは「査定」と「鑑定」のどちらに依頼するのがより適切なのかと悩む方もいるのではないでしょうか。
結論、不動産の売却時には査定を依頼するのが適切です。
ただし、それぞれの違いについて知っておくと、目的に応じてどちらを依頼すればよいのか判断できます。ここでは以下の項目の違いについて紹介します。
順番に見ていきましょう。
査定と鑑定の目的は、土地や物件の価値を算出するという点で同じです。不動産査定では、家を3ヶ月ほどで売却できる価格の目安を算出します。
不動産鑑定では、不動産の公的な価格を求めます。相続や離婚時の財産分与で揉めていたり、ホテルや工場などのわかりにくい不動産の価値を出したりするときに不動産鑑定を利用できます。
不動産査定と不動産鑑定にかかる期間は、以下のように異なります。
種類 | 期間 |
---|---|
不動産査定 | 簡易査定:数時間 |
訪問査定:数日〜1週間 | |
不動産鑑定 | 1週間〜1ヶ月間 |
不動産の簡易査定とは、机上査定とも言われています。不動産の間取りや築年数、住所などのデータをもとに査定額を算出する方法です。
もっともお手軽に家の査定額がわかるため、最初に行う査定としてぴったりです。
訪問査定とは、不動産会社の担当者が現地に赴き、不動産を細かくチェックして査定する方法です。
簡易査定に比べて、精度の高い査定が行えます。そのため、簡易査定は数時間で完了しますが、訪問査定は数日〜1週間ほどかかります。
不動産鑑定では、国家資格を所有している不動産鑑定士が現地に出向き、各種調査を行い、不動産鑑定評価表を作成します。
公的な書類を作成のため、1週間〜1ヶ月ほどの時間を要します。
売主が依頼する会社数は、以下のように異なります。
不動産査定の場合、複数社に査定を依頼して、自分に合った不動産会社を選びます。
一方、不動産鑑定の場合、公的な価値を算出するため、複数の不動産鑑定事務所に依頼しても意味がありません。
また、不動産査定は無料ですが、不動産鑑定には費用がかかります。そのため、複数の不動産鑑定士に鑑定を依頼すると、費用が100万円以上かかる可能性があります。
本記事では不動産の査定の費用や、不動産鑑定との違いについて紹介しました。
不動産査定では費用がかかりません。そのため、不動産を売却するときには、複数社に査定を依頼するとよいでしょう。
その中でも営業力が強く、高い査定額を提示してくれる不動産会社を選ぶと、不動産の売却に失敗しにくくなるでしょう。
ぜひ本記事の情報を不動産を査定するときに役立ててみてください。
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