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賃貸8万円の家庭が4,000万円の家を買うとき、住宅ローン以外に必要なお金|岐阜の4人家族で考える持ち家の予算

「今の家賃を払い続けるなら、そろそろ家を買ったほうがいいのかな」

賃貸住宅で暮らしていると、子どもの成長や家族構成の変化をきっかけに、持ち家を考える時期があります。

特に、子どもが小学校に入る前は、家の広さや収納、駐車場の台数を考えて、戸建て住宅を検討しやすい時期です。

ただ、住宅ローンを考えるときに、「今の家賃と同じくらいなら払えそう」という考え方だけで購入価格を決めるのはおすすめしません。

賃貸の家賃と持ち家の住居費は、同じ「毎月の支払い」でも中身が違うからです。

持ち家では住宅ローンのほかに、固定資産税、火災・地震保険、住宅設備の修理、将来の外壁や屋根のメンテナンスなどがあります。

岐阜市や大垣市、各務原市など、車を生活に使う家庭なら、住宅費だけでなく車2台分の維持費も家計に入ってきます。

さらに、子どもが小さい家庭では、今の教育費よりも数年後の教育費のほうが大きくなることがあります。

この記事では、特定の相談者を紹介するのではなく、住宅購入を考える家庭によくある条件を組み合わせたモデルケースを使って、賃貸から持ち家へ移るときの住宅ローンの考え方を整理します。

大切なのは、「賃貸が悪い」「持ち家が正解」という話ではありません。

今の賃貸暮らしに満足しているなら、その選択も十分に合理的です。

持ち家を選ぶのであれば、購入した後の生活まで含めて予算を決める。

この順番で考えることが重要です。

「家賃8万円だから、住宅ローンも8万円まで」とは考えない

まず、岐阜市近郊で賃貸マンションに住んでいる4人家族をモデルにします。

夫は34歳の会社員で年収520万円。

妻は32歳の事務職で年収280万円。

子どもは5歳と2歳です。

車は2台。

現在の家賃は8万2,000円とします。

この家庭が4,000万円前後の建売住宅を検討するとします。

4,000万円を35年、年1.0%、元利均等、ボーナス返済なしで借りると、毎月の返済額は約11万3,000円です。

家賃8万2,000円と比べると、住宅ローンだけで毎月約3万1,000円増えます。

ここで、

「毎月3万円くらいなら大丈夫そう」

と考えてしまうと、少し計算が足りません。

持ち家では、住宅ローン以外の住居関連費も考える必要があります。

たとえば、

  • 固定資産税
  • 火災保険・地震保険
  • 給湯器などの設備交換
  • エアコンの買い替え
  • 外壁・屋根などのメンテナンス
  • 外構設備の修理
  • 庭の維持費

などです。

すべてが毎月発生するわけではありません。

だからこそ、毎月の住宅ローンだけを見ていると、年間の家計が分かりにくくなります。

「毎月いくら払うか」だけではなく、「1年間で住まいにいくら使う可能性があるか」に置き換えると、持ち家になった後の生活が見えやすくなります。

賃貸から持ち家に変えること自体は、悪いことではない

ここは誤解してほしくないところです。

賃貸には賃貸の良さがあります。

設備の修理を自分で負担する範囲が比較的少ないこと。

転勤や転職に合わせて住み替えやすいこと。

住宅ローンという長期の借入を抱えなくてよいこと。

こうしたメリットがあります。

一方で、子どもが大きくなって部屋が必要になったり、駐車場2台分が必要になったりすると、戸建てのほうが暮らしやすい家庭もあります。

岐阜県内では、駅から少し離れたエリアで土地を確保し、駐車場を2台、3台と取る住宅も珍しくありません。

その場合、賃貸マンションより戸建てのほうが家族の生活に合うことがあります。

つまり、住宅購入で考えたいのは、

「賃貸と持ち家のどちらが得か」

だけではありません。

「今後20年、30年の家族の暮らしに、どちらが合っているか」

という視点も必要です。

持ち家を選ぶ場合に重要なのは、買うことそのものではなく、買った後に家計を無理なく維持できることです。

岐阜で4人家族なら、住宅ローンと車をセットで考える

岐阜市、各務原市、大垣市、瑞穂市、岐南町、笠松町などで戸建てを検討する場合、車の費用を住宅ローンと切り離さないほうがいいでしょう。

たとえば夫婦で車を2台所有している家庭なら、

  • 自動車税
  • 任意保険
  • 車検
  • ガソリン
  • オイル交換
  • タイヤ交換
  • 故障・修理
  • 数年後の買い替え

が発生します。

仮に車2台について年間40万円を使う家庭なら、月平均では約3万3,000円です。

もちろん、実際の金額は車種や使用距離によって変わります。

それでも、住宅ローンが月11万円だから「住居費は11万円」と考えるだけでは、家計の全体像が見えません。

さらに、子どもの送迎が増えると車の走行距離も増えます。

保育園への送迎。

習い事。

小学校への送り迎え。

休日の買い物。

夫婦それぞれの通勤。

岐阜で住宅を探すときは、土地価格だけでなく、購入後の移動コストまで含めて考えたほうが現実的です。

教育費は「今」ではなく10年後を見る

住宅購入の予算を決めるとき、子どもがまだ幼児だと教育費が小さく見えます。

たとえば、5歳と2歳の子どもがいる家庭なら、現在の学校関連費用はまだ大きくないかもしれません。

しかし、住宅ローンは35年続きます。

今後、

小学校。

中学校。

高校。

大学。

という支出が続きます。 文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」では、年間の学習費総額は公立小学校で33万6,265円、公立中学校で54万2,475円、公立高校で59万7,752円でした。私立ではさらに高くなります。

この数字には大学の費用は含まれていません。

ここが住宅ローンを長期で考えるときのポイントです。

住宅を購入した時点では、

「住宅ローン11万円なら払えそう」

と感じても、10年後に子ども2人の教育費が増えている可能性があります。

さらに塾代。

部活動。

制服。

教材。

受験費用。

大学進学時の入学金や授業料。

自宅外通学になれば、一人暮らしの費用も加わります。

だから、住宅ローンの予算を決めるときは、現在の家計だけでなく、教育費が増えた後にも貯蓄を続けられるかを見る必要があります。

「借りられる金額」と「暮らし続けられる金額」は違う

住宅ローンの審査に通ることと、その金額を長期間返済できることは同じではありません。

金融機関の審査では、年収だけでなく、既存借入や返済負担、勤務状況など複数の項目が確認されます。

住宅金融支援機構は、フラット35の利用者について、年齢、家族数、世帯年収、住宅取得資金などを継続的に調査しています。2025年度の利用者調査も2026年7月に公表されています。J JHF+1

ただし、審査に通ることだけを住宅購入の基準にするのはおすすめしません。

家計には、住宅ローン審査には出てこない支出があります。

たとえば、

「妻が育休に入る」

「時短勤務になる」

「車を買い替える」

「子どもが私立に進む」

「賞与が減る」

「家電がまとめて壊れる」

といった変化です。

住宅ローンは数十年単位の契約です。

今の収入と今の生活費だけでなく、家族の生活が変わったときにも返済を続けられるかを見る必要があります。

共働きだからこそ「妻の収入が一時的に減る時期」を入れておく

世帯年収が高い家庭ほど、現在の収入をそのまま住宅ローンの予算に反映したくなります。

たとえば、

夫34歳、年収600万円。

妻32歳、年収400万円。

世帯年収1,000万円。

この数字だけを見ると、5,000万円前後の住宅も現実的に感じるかもしれません。

しかし、子どもが生まれた場合、妻が産休・育休に入る可能性があります。

復職後も、保育園の送迎などで時短勤務になるかもしれません。

子どもの体調不良で仕事を休むこともあります。

もちろん、共働きで住宅を購入することが問題なのではありません。

むしろ、夫婦2人の収入を活かして住宅を購入する家庭は多くあります。

問題は、夫婦2人が常にフルタイムで働くことを前提に、住宅ローンの上限まで借りてしまうことです。

個人的には、住宅ローンの予算を決めるときほど「収入が減ったとき」を一度計算しておくことをおすすめします。

それで生活が大きく崩れるなら、物件価格を下げる、頭金を調整する、購入時期をずらすなどの選択肢を検討できます。

モデルケース:岐阜市近郊で3,980万円の建売を検討する家庭

もう一度、具体的な家庭で考えます。

岐阜市近郊。

夫34歳、会社員、年収550万円。

妻32歳、会社員、年収250万円。

子どもは5歳と2歳。

現在の家賃は8万5,000円。

車は2台。

検討している建売住宅は3,980万円。

頭金200万円を入れて、住宅ローンを3,780万円とします。

仮に35年、年1.0%、ボーナス返済なしなら、毎月の返済額は約10万7,000円です。

家賃8万5,000円との差は約2万2,000円です。

数字だけを見ると、それほど大きな差ではありません。

しかし、購入後には固定資産税、保険、修繕への備えが必要になります。

さらに車2台の維持費があります。

子ども2人の教育費も、これから増えていきます。

購入直後には家具や家電、カーテン、照明、エアコンなどを揃えることもあります。

国土交通省の令和6年度住宅市場動向調査では、住宅取得をきっかけに購入した耐久消費財の合計額は、分譲戸建住宅で平均152万円、中央値100万円でした。

すべての家庭が100万円使うわけではありません。

家具をすでに持っている家庭もあります。

逆に、新居に合わせてエアコンや家具をまとめて購入する家庭もあります。

大切なのは、「住宅価格3,980万円」だけを購入費用だと思わないことです。

この家庭なら、3,980万円の家が買えるかどうかより、

「3,980万円の家を買った後も、毎年いくら貯蓄できるか」

を見るほうが重要です。

年間60万円を貯蓄できる家庭なら、5年間で300万円です。

ところが、車検、家電の故障、旅行、入学準備などで年間50万円の臨時支出が重なると、思ったほど現金は増えません。

住宅購入後に「ローンは払えるけれど、貯金が増えない」という状態になると、家計の選択肢が少なくなります。

これは、住宅購入で特に避けたい状態です。

岐阜では「土地が安いから住宅費も安い」とは限らない

岐阜県で住宅を探す場合、土地価格だけを見て予算を判断するのも危険です。

2026年の地価公示について国土交通省が公表した岐阜県の概要では、住宅地の地価は県全体で前年比0.2%の下落でした。一方、建築資材や人件費の上昇によって建築費が上がり、新築から中古住宅や比較的割安なエリアへ需要が移る動きも示されています。岐阜市の住宅地は前年比0.1%の下落です。

つまり、土地が比較的安いエリアを選べば、必ず住宅費が安くなるとは限りません。

たとえば郊外に土地を買うことで、土地代を300万円下げられたとします。

その代わりに夫婦それぞれが車を使う時間が長くなれば、ガソリン代や車の走行距離が増えます。

子どもの送迎にも車が必要になります。

通勤時間も長くなるかもしれません。

住宅選びでは、土地価格だけでなく、

「夫婦の通勤時間」

「子どもの通学」

「車の台数」

「将来の車の買い替え」

まで一緒に考えたほうが、購入後の暮らしを想像しやすくなります。

持ち家にした後に「こんなはずでは」となりやすいのは、家そのものとは限らない

住宅購入後の負担として意識しておきたいのが、家の維持費です。

賃貸住宅では、設備の故障などについて貸主側が対応する範囲があります。

持ち家になると、自分で修理や交換をするものが増えます。

給湯器。

エアコン。

食洗機。

トイレ。

水栓。

外壁。

屋根。

こうした設備は、購入時には新品でも、住宅ローンが残っている期間に交換時期を迎えることがあります。

「10年後、15年後に何が壊れるか」は正確には分かりません。

だからこそ、毎月少しずつ修繕用のお金を残しておく考え方が必要です。

ここは賃貸と持ち家の大きな違いの一つです。

ただし、これは「持ち家はお金がかかるからやめたほうがいい」という話ではありません。

戸建てで子どもが走り回れる。

収納が増える。

駐車場を確保できる。

家族の生活に合わせて間取りを使える。

こうした価値もあります。

その代わりとして、住宅を維持する責任も自分たちで持つ。

この違いを理解して購入することが大切です。

頭金は「できるだけ入れる」が正解とは限らない

頭金についても、金額だけで決めないことをおすすめします。

たとえば貯金800万円の家庭が、頭金500万円を入れて住宅ローンを減らすとします。

住宅ローンの借入額は減ります。

一方、手元に残る現金は300万円です。

子どもが小さい家庭なら、病気や転職、車の故障、引っ越し後の家具購入など、まとまった支出が発生する可能性があります。

住宅購入後に現金がほとんど残らないなら、頭金を多く入れることだけを優先する必要はありません。

住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査では、住宅取得に必要な資金の調達内訳などが集計されています。

ただし、この調査はフラット35利用者を対象としたものです。

「平均額だから自分も同じにする」という使い方はしないほうがいいでしょう。

頭金は、住宅ローンを減らすためのお金であると同時に、購入後の生活を守るための現金とのバランスで考えるものです。

住宅購入前は「直近12か月の家計」を見ておく

住宅展示場や物件情報を見る前に、一度やっておきたいことがあります。

直近12か月の家計を確認することです。

毎月の支出だけではなく、年に数回しか発生しない支出も拾います。

たとえば、

  • 車検
  • 自動車保険
  • 固定資産税ではなく、現在の賃貸なら更新料
  • 旅行
  • 家電購入
  • 子どもの入学準備
  • 冠婚葬祭
  • 医療費
  • 帰省費用

などです。

毎月5万円を貯金している家庭でも、年間60万円を確実に貯められているとは限りません。

ボーナスで補填している場合もあります。

住宅ローンを組んだ後にボーナスが減ったらどうなるか。

妻が時短勤務になったらどうなるか。

車を買い替えたらどうなるか。

この3つを一度計算してみるだけでも、住宅価格の見え方は変わります。

私なら、住宅ローンの予算を決める前にこの3つを見る

住宅ローンの金額を考えるとき、私なら最初に次の3点を確認します。

1つ目は、片方の収入が一時的に減っても住宅ローンを払えるかです。

2つ目は、教育費が増えた時期にも毎年貯蓄を続けられるかです。

3つ目は、車検や車の買い替え、住宅設備の故障などが重なっても生活防衛資金を大きく崩さずに済むかです。

この3つをクリアできる住宅価格なら、購入後の家計も考えやすくなります。

逆に、現在の夫婦2人の収入が最大の状態で、毎月ほとんど余裕が残らないなら、物件価格を少し下げる意味があります。

私は、住宅ローンでは「借りられる上限」まで使う必要はないと考えています。

家を買った後も、旅行に行く。

子どもの習い事を選ぶ。

車を買い替える。

家電を買う。

将来のために貯金する。

こうした普通の生活が続けられることも、住宅購入の大切な条件だからです。

まとめ

賃貸8万円の家庭が4,000万円前後の住宅を購入するとき、最初に確認したいのは住宅ローンの返済額だけではありません。

見るべきなのは、購入後の家計全体です。

住宅ローン。

固定資産税。

火災・地震保険。

修繕費。

車2台の維持費。

子どもの教育費。

家具や家電。

将来の車の買い替え。

これらを含めて、毎年いくら残るのかを確認します。

特に岐阜市、大垣市、各務原市などで戸建てを購入する家庭は、住宅価格だけでなく車の維持費や通勤距離まで考えることが大切です。

また、住宅購入時には「今の世帯年収」だけでなく、育休や時短勤務、転職、賞与減少などによって収入が変わる可能性も考えておきます。

住宅ローンの審査に通る金額が、その家庭にとって快適に暮らせる金額とは限りません。

そして、賃貸から持ち家に変えることが必ず正解というわけでもありません。

持ち家には、家族の生活に合わせた広さや間取り、駐車場、収納など、賃貸とは違う魅力があります。

その一方で、住宅を維持する責任も増えます。

だからこそ、

「家賃より住宅ローンが高いか安いか」ではなく、「住宅購入後も家族の生活と貯蓄を両立できるか」

で考えることをおすすめします。

家を買うことは、住宅ローンを借りることだけではありません。

その家で10年、20年と暮らしていくことまで含めて、住宅予算を決める。

それが、賃貸から持ち家へ移るときに考えておきたいポイントです。

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